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2008.05.09

思想信条を刺激するような話題を避けるって現実社会では常識なのですが

少なくとも日本(日本語文化圏)の世間一般において。
いわゆる[ビジネスマナー]としてはもちろんのこと、
業務とプライベートとを問わず、それほど親しくもない──そんな話をしても大丈夫だという確信を持てない──相手との話題に、
"政治と宗教と野球の話はするな"という警句は昔々からの常識であります。
(平成になってからはサッカーも加わったようですが)

ネットでは、誰が読むかも分からない全くオープンな場でもそれらの話題を配慮なく大っぴらにできるようにすべきというお話なのだと思うのですが、そんな現実社会では通用しないルールを押しつけられても困ってしまいます。

la_causette: 中国共産党と梅田望夫さんが考える表現の自由

制裁が加えられるのがいやであれば政治や宗教の話をしなければ良いだけなので

なぜこのフレーズがネガティブな文脈で出てくるのでしょうか。
決して制裁を肯定するものではないことは当然のこととして、しかしリアルであれネットであれ思想信条を刺激するような微妙な話題を、相手を限定する気もなく行おうとするのであれば、

梅田望夫×まつもとゆきひろ対談 第2弾「ネットのエネルギーと個の幸福」(前編):ITpro

つまり誰かが信奉している人を批判するとか。そういうことをしちゃいけいないというわけじゃなく,そういうことをする自由はあるんだけど,やるのなら覚悟したほうがいい。

その「覚悟」は当然持っていなければいけないものでありましょう。
微妙な話題を避ける配慮は一切しないが攻撃を受ける覚悟もない、では通用しません。
ましてやネットで、誰が読むかも分からない全くオープンな場で、ブログ等で書こうというのであれば。


さて、仮に覚悟があったとしても。
圧倒的多数は読まれも(どころか見られも)せず、幸か不幸か話題になったとしてすべからく娯楽として消費されますから、発言者が本来企図したであろう「(リアルにおける)シリアスな話に解決の道筋をつける」などということは、皆無とは言わないにしてもおよそ期待できるような確率ではないのであって。


即ち、問題提起や好ましくは解決の意図を以って、思想信条を刺激するようなリアルにおける諸問題を投げかけようとすることは、フラットかつオープンなこのようなネット界隈には相応しくないものであると言えましょう。
問題提起ないしは解決の意図があるのであれば、それ専用の場が必要でありましょう、ということです)
……ということなど、勘のいいひとであれば2,3か月もネットに"住んで"みればわかることのような気がします。鈍い私はそう結論付けるのに8年半ほどかかりましたが。

もちろんネットのことについてはネットで(議論)するよりほかありません。ですから、ネットではネットのことを、というのが第一優先順位であるべきだと考えます(あくまでシリアスな話をするならば、であって、他愛もない日常の記述とかそういうのは好きになさればよろしいが)。


小倉さんにあらためて問います。

それほどまでに繰り返し嫌悪する連中と、しかし、同じフィールドに立ち続け、毎度のように嫌悪と侮蔑に彩られた文字列を出力する理由は、意味は、価値は、どこにあるのですか。

もう一度書きます。
(リアルにおけるシリアスな事象についての)問題提起ないしは解決の意図があるのであれば、それ専用の場が必要でありましょう。

その上で、小倉さんにふたたび提案します。

理想とするネット世界の姿があるのであれば、それが実現できた世界を、あなたが作って見せればよいのです。


関連:
「仕事のネット」と「趣味のネット」(2007.01)
いますぐ脱出を。さもなくば、感謝を。(2008.02)

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コメント

ウェブ空間を,匿名の陰に隠れて他人を誹謗中傷してストレスを発散する人々が支配する「暗黒の場」にしておくのは勿体ないというのはあります。そんなものは,誹謗中傷好きの人が集まって閉鎖型のSNSをつくって,匿名でお互いを罵り会い続けることで我慢してもらいたいと思っています。

投稿: 小倉秀夫 | 2008.05.09 02:14

業務とプライベートとを問わず、それほど親しくもない──そんな話をしても大丈夫だという確信を持てない──相手との話題に、
"政治と宗教と野球の話はするな"というのは,実は,ネットではまことしやかに語られているものの,実際にそうであるのかは疑問です。ネットの場合,匿名さんは相手に何をしても責任を負わなくとも済むということが頭にあるからこそ,自分の気に入らない思想を述べる者に対してはどんな酷いことをしても構わないということになりますが,現実社会では,そこまで相手を一方的に叩ける立場に立つことはなく,あまり酷い批判をすればその評価は自分に跳ね返ってくるからです。

投稿: 小倉秀夫 | 2008.05.09 02:19

>「暗黒の場」にしておくのは勿体ないと

ならば、すべきことは「それに負けない光をせっせと創り出す」ことです。
どっちの方向に向いていようが、同じようにせっせと悪罵の文字列を流し続けるのであれば、記名の如何に関わりなく、小倉さんもまた「暗黒の場」に資する[同じ穴の狢]であることに気付かれるとよいと思います。

>ネットではまことしやかに語られて

ネット(の普及)以前からの常識であると申しております。

投稿: Tristar@管理人 | 2008.05.09 19:33

いえ。ハラスメント集団を取り除くことも,ウェブ空間を価値のあるものにしてゆくのに重要です。どこの社会でも一緒だと思いますが。

なお,初対面の人と野球やサッカーの話をする機会というのは,現実社会では結構あるし,それでトラブルになることもないというよりありません。宗教の話は,日本では関心を持つ人が多くないので,初対面の人とあまりされることはないと思いますが,それだけのことです。ネットの人たちは,対人関係において,なにか恐がり過ぎなのではないでしょうか。

投稿: 小倉秀夫 | 2008.05.10 01:07

>ハラスメント集団を取り除くこと

その目的はよいとして、とられる手段が、「その"ハラスメント集団"とやらと同じフィールドで同じような悪罵を繰り返し流すこと」、なのでしょうか?
小倉さんは、そんなことで、対象を取り除く(あるいは、改心させる)ことが実現できると信じた上でそのように行動されておられる、ということですか?

それはあまりにも滑稽な光景です。

>ウェブ空間を価値のあるものに

その志はよいとして、ということは、小倉さんは、事あるごとに小倉さんが非難の対象にされる梅田さん等と同じ「夢」をウェブ空間に対して抱いておられる、ということですか?

それはあまりにも滑稽なお話です。


>それでトラブルになることもないというよりありません。

小倉さんの観測範囲においては、それらが「(思想信条を刺激することもない)当たり障りのない話」なのであればご同慶の至りです。
本エントリの主旨は、タイトルにもあります通り、『「思想信条を刺激しかねない話題」をよく知らない相手(ネットにおいては、不特定多数)に対して[一切の配慮なく大っぴらに可能にすること]を要求しておきながら[非難されるかもしれない覚悟]は一切無い』などという滑稽な態度は(リアルとネットの如何に関わりなく)常識として通用するものではないでしょう?、という点にあることを重ねて申し述べておきます。

投稿: Tristar@管理人 | 2008.05.10 21:53

「ナイーブな話題を避ける事は『常識』なのか?」とのエントリに
> 匿名の陰に隠れて他人を誹謗中傷してストレスを発散する人々が支配する
とコメントされる小倉さんの発言は全て『卑怯な匿名者』を非難するものです。

> 「その"ハラスメント集団"とやらと同じフィールドで同じような悪罵を繰り返し流すこと」
私はこれは「『無力な子供』が『ハラスメント集団』から身を守る為に行っている行為」
だと考えます。小倉さんは『被害者』なのです。

「ネットは怖いよぅ。知らない人達が寄って集ってぼくをいじめるんだ!」

小倉さんはこの様に訴えて居られるのではないでしょうか?
と言う事でトラックバックを打たせて頂きました。
良かったら読んでください。

投稿: minorYou | 2008.05.11 00:45

少なくとも,匿名の陰に隠れて他人を誹謗中傷することは悪いことだということを彼らの目に触れるところで言い続けることは不可欠だと思っています。決して肯定してはいけないし,黙認してはいけないと思っています。もちろん,「猛威をふるう悪は見過ごすのが大人としての賢い生き方だ」とは言えるのかもしれないですが,私は,ネット以外との関係でも,そういうのを見過ごさない生き方をしばしばしてきたものですから。

ウェブ空間を価値あるものにしていきたいというのが滑稽だといわれても,困ってしまいますね。インターネットを,そしてWWWを作り上げた人々の理想に近づけていこうとしているにすぎません。身勝手な「空気」とやらに支配されて,一部の時間が余っていて,かつ倫理観の麻痺した人々のお気に召さない情報が遮断され,憎悪と嘲笑に満ちあふれたものに,日本語環境だけしていこうということこそ,滑稽に思えます。

投稿: 小倉秀夫 | 2008.05.11 11:05

ですから目的はよいのですが今の小倉さんの芸風──あえてそう表現します──では現状逆効果にしかなっていないでしょう?と。
悪罵を返すだけでは『憎悪と虚無だけが生きる糧の哀れな生』の拡大再生産に資するだけではないのでしょうか。

minorYouさんへの返信も兼ねますが、初期の小倉さんは「被害者」であったのかもしれないですが、今となっては[わざわざちょっかいをだすようなエントリを上げて、吹き上がってきた"匿名さん"の反応をまた叩く]の繰り返しになっているのを見ると、時を経てむしろ「加害者」に転化していませんか?とも思えるのです。


>インターネットを,そしてWWWを作り上げた人々の理想

それは情報の流通等の利便に対する技術的な興味であって、実際に流れるそれら情報の「中身に対する価値判断」とは関係ありません。

上質な議論がどうたら、など、はるか後世になって後付された、しかも幻想でしかありません。

投稿: Tristar@管理人 | 2008.05.11 13:35

Tristar@管理人さま

> 時を経てむしろ「加害者」に転化していませんか?とも思えるのです。
私もそう考えますが、彼は誤った認識に基づいて実名化に向けての
ロビイ活動をしている為、看過出来ない所があります。

私が言いたかったのは「彼に『大人の対応』を期待しても無駄だ!」
と言う事です。
彼が何を述べようと、彼の本当の目的は「わるものをやっつけてやる!」
でしかありませんから。
『子供の戯言』をさも重大であるかの様に取り上げる
メディアに失望しています。

投稿: minorYou | 2008.05.12 06:29

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