唯春の夜の夢の如し
特に教育関係などでは『「いじめ」は被害者がそう感じればいじめなのであって、かつ「いじめた側」に100%の責任がある』とされますが(ああ、私が当事者であった頃にその論理が確立されていれば!)、サイトが荒らされたり"炎上"したりするのにはされる側にもそうされるに足る"落ち度"がある、という言説があまり激烈な反発に遭うことなく存在できているように見受けられるのは、「ネットとリアルの落差」というよりはむしろ「タテマエとホンネの落差」なのかもしれませんが、まぁそれはともかく。
ただ、("死刑廃止論者"に「無辜の近親者が殺されてもそう言い続けられますか?」と問うように)"荒らされる側にも原因が…論者"に「自分のサイトが荒らされたり炎上したりしてもそう言い続けられるのですね?」と問うても胸を張って「イエス」と答えられてしまいそう、というよりやつらは元々スキが無さそうな上に(荒らし等に)非常に高い耐性もしくは受け流しスキルを持っていそうなのが余計にタチが悪いというか何というか(苦笑)。いや「スキルが高そう」というのは勝手な印象でしかないですが。
極言すれば、インターネットとはそういうものなのだ。"モヒカンで手斧を持った連中がウロウロしている(モヒカン賊の由来より引用)"場なのであり、平民は尻尾を巻いて逃げ帰るべきだ。そうして世界の片隅に変なテリトリを作り上げてその中だけで通用するローカルルールを敷いて安心するわけだが、そうした楽園は永くは保たない。
事実として「そんな場」であるのかもしれませんしどこにも「逃げ場」なんてないのだとしたら、
パソコン通信が栄華を極めた前世紀の終わりから今後のせいぜい数年間だけが、
「平民がネットで無邪気に言いたいことを言えた時代」として歴史になってしまうのかも。
・・・ヨソの世界は存じませんが、日本文化・日本語の下では。
『唯春の夜の夢の如し』あるいは『偏に風の前の塵に同じ』(いづれも「平家物語」の冒頭より)。
そんなシナリオがほんとうに悪夢-このエントリのURLである"nightmare"-であるかどうかは、分かりませんが。
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