【季節の?トリビア】『大掃除』は法律に規定された義務でございます。
今年もあと1ヶ月を残すのみとなり、寒中なにかとあわただしいこのごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて年末ともなりますと世間では大掃除の言葉をよく見聞きするようになります。
この『大掃除』なるもの、実は法律に規定された義務なのでございます。ご存知でしたでしょうか。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称・廃掃法/ごみ処理法/廃棄物処理法):
(清潔の保持)(強調部は筆者による)
第五条 土地又は建物の占有者(占有者がない場合には、管理者とする。以下同じ。)は、その占有し、又は管理する土地又は建物の清潔を保つように努めなければならない。
2 建物の占有者は、建物内を全般にわたつて清潔にするため、市町村長が定める計画に従い、大掃除を実施しなければならない。
法制定時の通達にはダメ押しのように
法令・告示・通達>廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行について:
5 地域住民の義務
(1) 市町村の住民は、その占有し又は管理する土地又は建物の清潔を保つように努めるとともに、市町村長が定める計画に従って建物内の大掃除をしなければならないこと。
と明記されてございます。
「市町村長が定める」とありますので、それではと各自治体の例規集などを探してみますと……
なぜか大都市になるほど条例/規則に規定がなく(政令指定都市はのきなみ見当たらず・東京都特別区は未確認)、町村部になるほど規定されている傾向でございました。
さらに条例あるいは規則の中身をパラパラとながめておりますと、時期については、
「毎年4月に公示」するところ、
「年1回(以上)」と規定するところ、
「年2回」と規定するところ、
と様々でございました。
ちなみに年2回のところは「春秋」の指定が多いようでございまして、従いまして法規的には決して"年末の風物詩"というわけではないようでございます。
この各自治体の条例でございますが、検索した中で圧巻だったのが東京都青ヶ島村でございまして、
青ヶ島村廃棄物の処理及び清掃に関する条例施行規則:
(大掃除)
第10条 法第5条第2項に規定する大掃除並びに条例第4条第4項に規定する(処理条件)については、7月1日から7月12日までを清掃週間と定める。
2 建物等の占有者はこの清掃週間に建物内及び同敷地並びに道路工事の廃機材等を全般にわたって清潔にするため大掃除を実施しなければならない。
3 村長は条例第17条の規定に基づき7月13日(当日が勤務を要しない日又は休日に当たる場合は翌日とする。)その職員をして大掃除の検査を実施させ、大掃除実施済みのものについては大掃除検査済証(様式第8号)を交付するものとする。
なんと大掃除の立入検査(!)をするのだそうでございます。本当でございましょうか(情報お待ちしております)。
さて土地又は建物が事業としてのものである場合には別の法規制もございまして、
労働安全衛生規則(注意:1MB近いです):
第七章 清潔
(清掃等の実施)
第六百十九条 事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
一 日常行う清掃のほか、大掃除を、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に行うこと。
となっておりますゆえ、「年に一度の…」はもちろんのこと、いわゆる"盆暮れ"などでは規定を満足しないこととなります。
今回のトリビアはいかがでしたでしょうか。
またの機会にお目にかかりたく存じます。
みなさまくれぐれもご自愛のほど。
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