「言及しあう文化」を終わらせたいのですか。
パソコン通信から連綿と続いてきた「お互いが相手の発言を引用しながら発言する」という文化を、亡きものにしようというのですか。
それがニーズだ、サービスの個性だ、といえばそれまでですが、残念に思うところであります。
ちょっとその前に:
日本のブログブームが本格的に始まったのは、はてなダイアリーをリリースした2003年から。まさにはてなダイアリーが日本のブログブームのきっかけでした。
えっ!
面倒なんで過去ログ掘り返しませんが、そこから数年が経った後でも、京都駅で「『はてな』って知っていますか?」とアンケートしまくって、誰も知らなかったとしょげていたのは他ならぬ社長さん、あなたじゃなかったのですか?
日本のブログブームは、わがココログを皮切りに、大手プロバイダ各社が軒並みサービスを開始したから、でしょう。
さて。
はてなブログにはトラックバックを組み込みませんでした。しかしベータ版開始以降、一度も「トラックバック機能を付けて欲しい」という要望をもらっていません。ブログから、「コミュニケーションツール」としてのニーズが消えてきている事をよく表しています。
ともだちだけが社会ではありません。人は(中略)もっと社会とつながりたいと思っています。ともだち以外の人とつながりの生まれる場所に行きたいと感じています。えーっと……
ソーシャルネットワークは、"social"という言葉を持ちながら、あまりこういうニーズには応えていません。既に知り合ったソーシャルな関係を定着させることには使えても、新たなソーシャルネットワークを開拓する事には使えません。
新しい社会とのつながりを提供しているのは、むしろオープンインターネットの領域です。
(中略)オープンインターネットの中に、ブログという人格を持つことで、社会との新しい接点が生まれ、人生に新しい展開が生まれるのです。
- ブログはコミュニケーションツールではなくなってきている
- ブログは"新しい社会とのつながり"に役立つ
コミュニケーションなしで、どうやって新しいつながりが作れましょうか?
方法はトラックバックだけではないし、言及しあうだけが"つながりのスタート"ではもちろんないにしても。
コミュニケーション性を否定しておきながら、他方では「つながり」だ、と仰る。
もう、わけがわかりません。
おまけに、
言及先には(いま現在)はてなの会員でないとコメントもできません。
したがって、こうして言及していることを知らせるすべは(ブログ同士のやりとり、という意味で)ありません。
前身となる「はてなダイアリー」でも、かなり長い間、コメントの入力欄にアドレス(URL)の入力欄がありませんでした。
コミュニケーションをとる相手が「はてなの会員である」ことを当然の前提にしているのでしょう。
その「新しいつながり」とやらも、はてな会員限定ですか?
……まぁ、それでもいいのかもしれませんけれども、
他社ブログにもかかわらず「はてなブックマーク」や「はてなスター」を最上段に置いているひとはやまほどいますから(個人的に『はてな中華思想』と呼んでいますが)。
関連→それぞれのIDの下で(2006.07)
#そういうのが「村」とか揶揄される遠因じゃないですかね
話がそれましたが、ともかく、
「ライフログ」であれば要りませんが、「つながり」を志向するなら、"引用しつつあれこれ言い合う"というかたちのコミュニケーションは有用であるはずです。
それがニーズだ、サービスの個性だ、といえばそれまでですが、
ブログはコミュニケーション性を失いつつある、という判断も、
言及しあう、という文化を過去のものにしようという動きも、
あまりにも寂しい気がいたします。
そうそう、ココログのスパムフィルタは結構優秀だと思いますので、
"引用しつつあれこれ言い合う"文化を尊ぶ皆様におかれましては、ぜひともこちらココログをお使いいただきますよう。
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