もういちど、「純粋」だった、あの頃に。
かつてパソコン通信の頃、メジャーなホストでは、特別に許可された以外の個人IDが「営利目的の書き込み」をすることは、規約で固く禁じられていました。
わたしが始めた15年ほど前にはそれほど厳格でもなかったですが、その頃あまた出版されていた関連書籍によると、それ以前はユーザー同士の"相互監視"も相当に厳しかった、といいます。
やがて各事業者がプロバイダを兼ねるようになり、ホームページ開設、そしてブログサービスにおいて「※商用利用可」という注釈がついたとき、"方針の大転換"と驚きをもって受け取られたものです……
Googleの検索ワードで「ステマ」が第一位になったとか。
ステルスマーケティング とは - ネットマーケティング・キーワード:ITpro
ただ昨今の使われ方を見ると完全に「今月の大喜利素材」と化しているようで、あまりに真面目に論考しているのは見ていて痛々しいと思わなくもないですが(笑)。
ステマ連呼して叩く、じゃあ【広告】とキャプション入れてればいいのか、って、それならもう見ない(参考にしない)んじゃないかと思うんですね。完全スルー。
ということは、つまり、なんであれ(そして、最初に長々書いた昔話につながるのですが)。
『ネット上に(個人の立場で)個人が発信するものが、営利(カネ)に"汚されたもの"であってはならない』という心性は、いまだ"時代遅れの少数派"などではないし、"正統かつ正当"だと胸を張っていいんだ、と、すこしだけ心強く思った次第でありまして。
そりゃあ昔だって人脈作りに精を出していたひとは少なくなかったですし、
それがあるからこそ今(の生活)がある、というひとも直接間接存じておりますが、
それも普段のコミュニケーション(雑談と言い換えてもいい)あってのことだったし。
ただ、最初に長々書いたような「本邦におけるネットコミュニケーションの出自」からすると、
今もっと直接的に「ブログで(効率的に)稼ぐ!」とか言われることに対する違和感、はっきりいえば嫌悪感というのを、どうしても感じるわけです。
もういちど、ネットコミュニケーションが「純粋」だった、あの頃に。
……まぁ、戻らないでしょうね。
そもそもコミュニケーション自体が死にかけだしなぁ。
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