「営利目的のカキコミ」は禁止です。
──『「嫌儲」と呼ぶなかれ、「純潔」と称呼すべし。』改題
21世紀どころか、2010年代にネットデビューした諸兄姉には何のことか理解できないだろうけどね……
かつてのパソコン通信では、特に許可されない一般ユーザーが「営利目的で参加する」ことは(たいていの事業者あるいはホストでは)厳しく禁じられていました。
『「営利目的のカキコミ」は禁止です。』
わたしが始めた1996年冬の時点では"原則"程度の扱いになっていましたが、そのころ数多出版されていたハウツー本の中のコラムなどの記述を見るかぎり、それ以前においては、ユーザー同士の"相互監視"も含めてほんとうに厳しい『掟』であったようです。
ですから。
(少なくとも日本の)ネットコミュニケーションにおいては、その出自にかんがみて、
「一般ユーザーが──"一般ユーザー風情"が──その借りたスペースになにかを書くことで直接に稼ごうとする、あるいは将来の稼ぎ目的に使えそうな情報and/or人脈漁りにシャカリキになっている」ことに不快感を示すのは、
まことに正当かつ正統な感情であります。
ましてや他人にもそういう(テメェの稼ぎ目的の)使い方をすべきなどと力説し、
さらには稼ごうという気のまるでない「ただ楽しむ目的」の層を陰に陽に見下すが如き物言いをするなど言語道断!
たとえば。
ブログで本1冊紹介するのに、その題名または書影(表紙画像)に付けるハイパーリンクが、版元(出版社)サイトの書籍紹介ページではなく「amazon.co.jpで始まり個人idらしき記号で終わる長ーいurl」でなければならない、その根拠は何か?
「合法的に書影を貼りたいだけ」、そんな言い訳は見飽きた。
わたしは今までのすべてにおいて「版元に」リンクした。
本の紹介と書影画像が同一エントリ内でセットでなければならず、かつアフィリエイトしなければならない根拠が「稼ぎ目的のエントリ」以外のどこにあるのか、答えてみろ!
または。
夢見るだけならまだほほえましいが、本当にブログがきっかけで本を出しただと?ビジネス人脈と仕事を得ただと?
……そういうのが、かつて厳しくご法度であった「営利目的のカキコミ」なんですよ。
だいたいが、無料(もしくは低廉月額)で、いかにも全くの「消費者」を装ってホスティングされておきながら、実際は銭勘定してます、なんて、さもしいの4文字で表現する以外のなにものでもない。
ブログで稼ぎたけりゃ、せめて正しく「ビジネス向けプラン」(として契約できるホスティング事業者)でブログしやがれ。
もちろん、時代は移り、そのホスティング事業者において規約などで明確に禁止されていないかぎりは、当然どう使おうとダメ出しされる謂れはないのでしょうが、しかしながら……
一見趣味娯楽メインのようでいて仲間とつるんでおバカな掛け合いを表向き全力で楽しんでいたりしながら、実は「切磋琢磨」志向だった、とか、「使エソウナ人脈漁リ」してた、とか、そんなんいちばん『やらしい』わ、と思うんですよ。不純ネット交遊やん。
(かつて某所へ軽いノリで絡みに行ってえらい怒られた怨みも無くはないですが)
「何のために」ネットコミュニケーションをしているのか、という問いが浮かぶ時点で、すでに"汚れている"のです。
『コミュニケーションそのものを目的』とし、楽しむことこそが、ネットで何かを書き、交流する態度としてもっとも純粋なのです。
──という予定稿を寝かせたまま数年、いまやすっかりブログからコミュニケーション色は消えましたが、それでも。
「嫌儲」という、どこかネガティブな響きを持つ命名には強烈な不満を表明し、
書き込みで稼ぐことを忌み嫌う感情に対しては、出自に忠実であることを、好ましくは「純潔」と称呼され敬せられることを願うものであります。
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