腕組みと陶酔のあいだ
ライブやフェスというものに行ったことがない。
人生の何割か損をしているのかもしれないが、別にいい。
ウォークマンの昔から「音楽を持ち歩く」ということをしたこともなければ、"NO MUSIC, NO LIFE"なる某チェーンの煽り文句には違和感しか感じないのだから。
──とはいえ前居所では今は亡きSt.GIGAとMTVを、現居所ではM-ON!とスペシャを視聴できる環境にあるので、一応はJ-POPシーンを追いかけるようにはしているのだけど──
そういう音楽チャンネルの中では当然ライブやフェスの映像も流れてきて、それらを見ていると。
どれだけ歌手(アーチストといわないといけないんでしたっけ)が、千に届かんとする観客を陶酔の境地にまで高めたとしても、かれら歌手の一番近いところにいるのは……
舞台袖で腕組みしているエライサンであり、
音符ひとつも耳に入れないで走り回るスタッフであり、
客席最前列のさらに前で盛り上がればその分だけ客に険しい顔を向けている警備役、だ。
"中の人"に是非聞いてみたい。
あなたがたは、その「腕組みと陶酔のあいだ」に立つことについて、自身の中でどう折り合いをつけているのか。最初からその落差を受け入れることができたのか。
はた目には尋常な精神力では耐えられないと思うのだけど。
ライブやフェスというものに行ったことがない。
人生の何割か損をしているのかもしれないが、あの陶酔の中に身を置けるとは思えないから。
……袖で腕組みさせてもらえるなら、行くけど(笑)。
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