燃焼と不正の3要素
燃焼の3要素:可燃物-支燃物(酸素)-熱源。
そのうちどれか1つを除去すれば、燃焼は止まります。
不正の3要素:動機-機会-正当化。
同じことが言える(どれか1つを止めればよい)という言説がありますが、本当でしょうか?
さて企業不正というか組織事故というか、
それが品質不正であれ粉飾決算であれ何であれ、私利目的ではない"会社のために為す犯罪"であれば、
「動機」と「正当化」はイコールであり、不可分です──ニッポンのサラリーマンにとっては。
残る「機会」にしても、どんな不正も出来ない(はずの)システムを作り上げたところで、人間、切羽詰まれば、追い込まれれば、どんな悪知恵も思いつくものですし、目先の問題回避のためにはどんなことだってするでしょう──会社のために!
平時にいくら理念を説きコンプライアンス教育をしたところで、
"経済合理性の範囲で"不正ができない仕組みを作ったところで、
炎上中の現実を前にすれば、いとも簡単に無力化されるでしょう。
だいたいが、それら(試験成績書や決算書の書き換え)が「いけないこと」だというのは、わざわざ再教育するまでもなく、皆が理解しているはずなんですよ──理念としては、それ以前に道徳としても。
問題は、「それでもなぜ」そうせざるを得なかったか、そういう状況に追い込まれたのか?ということにあるはずで。
そこに踏み込まない限り問題は解決しませんし、不正は再発します──すると思います、ではなく、断言で。
虚偽の試験成績書や決算書などは、追い詰められた末に現れた<結果>のひとつにすぎませんから、
アウトプットのプロセスをいくら精査したところで、何の問題解決にもなりません。
企業不正を無くすためにはただ1点、「動機」を、<原因>を無くすより他にありません。
ですからそもそも、つねにルールを守った正しい判断だけを実行できるようにするには?ということで、
SDGsではありませんが、「誰一人追い込まない」ためにどうするのか、という話に尽きると思うところ。
組織も個人も、挑戦・背伸びしないと成長しないどころかイマドキ持続も危うい、というのが事実としても、
コンプラ視点で考える限り、身の丈に合わないことは組織事故のもと・100%のリスク要因、であって。
それが必要としても「健全なプレッシャー」で抑えておくためのリスクアセスメント/マネジメントというか、
成功者がそこらのインタビュー記事や御著書で煽りそれをイシキタカイ系が拡散するところの、
いつもいつでも前に前に前に!が正しいとは限らんですよ、というところ、そこは押さえておいていただきたく。
※個人の感想です
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