言いようのない敗北感──有川浩『阪急電車』(幻冬舎文庫)
来週(4/23)映画が公開になりますね(関西地区先行:他は4/29から)。
映画『阪急電車』公式サイト
文庫本が手元にあるので撮ってもいいんやけど著作権絡みで気が引けて、
さりとてアフィるつもりもないので書影は無し。
書影のない本の感想エントリいうのは、ほんま締まらへんな……(苦笑)
→とりあえず幻冬舎文庫の該当ページ
"2往復"読んだ後にamazonのレビュー全160余件とmixiのレビュー(文庫版)最新300件を一気読み。
沿線住民でも「空気感出てる(^^)」というひと、「あんなん嘘や!」と怒っているひと両方。うーん。
まぁ"沿線モノ"として見るなら(宝塚)ファミリーランドへの郷愁は入れとかなあかんやろ(さらにいえば西宮スタジアム(現・阪急西宮ガーデンズ)へのそれも)、という感想は持ったし、
良くも悪くも(執筆時点の)「今」の風景だけを切り取った感じがあるのが、人によっては違和感の原因だったのかもしれへんなぁ、と。
……違和感を感じたひとも塚口の「ビミョー」さには同意するんやないやろか、と、
過去にも現在にも生活圏であったことはないが知らない路線ではない、程度のわたしがいちばんウケたのがその部分やったけど(^^;;;。
あれだけの数の独立したストーリーを、しかしちょっとずつ重ねて、組み立てる。
アイデアはもちろん、それをやってのける"力量"はほんまに「凄い」のひとこと。
という外形の話はともかくとして……
あれだけ「突然に」、
ほとんど「駆け引きもなく」、
それでいて「両想いの」、
恋愛が始まってしまう、って……しかも復路では幸せに続いてるし……
なんか、もう……いろいろひどい(笑)。
なんというか、言いようのない敗北感。大ダメージ(苦笑)。
過去十数年、ほとんど<推理小説のアンソロジー>だけを読んできた身には、
「これが・・・ラノベというものか・・・」なんて、あらぬ嫌疑をかけたくなってしまったわけですが(^^;。
(レビュー見てたらむしろ"有川ワールド"なんですか、ああいうベタに甘い進行は)
映画効果もあってかよく売れているようで、さっき行った本屋でも文庫ランキング4位に入っていましたが、
結構「読む層を選ぶ」本ではないかなと、自分がダメージ喰らったのもあるのですが(^^;;;。
そして、mixiのレビュー7690件(いま現在/単行本・文庫版合計)、というのが、
その「ウケる層」をすごく分かりやすく示している、ような気はしました。
・・・ああ、そうそう、あと1点、
引用はしないけど(文庫版)67ページ:
かりにも電車が舞台なんや、パンタグラフと架線間違えたらアカンでぇ~!
これは本とも映画とも全然関係のないことやけど、
『阪急電車には週刊誌(写真|ゴシップ|女性|ニュース等)の中吊り広告が存在しない(認められないらしい)』っていうトリビア、ホント話題にならへん気がするねんけど、なんで?
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